今回は薬剤部で行っているミキシング業務についてお話したいと思います。
薬剤部で行っているミキシング業務とは輸液や注射剤等の薬剤をクリーンベンチを使用して、衛生的に混合する業務のことをいいます。
当院では患者さんの点滴を薬の内容を確認しながら取り揃えたのち、薬剤師によりミキシング業務を行なっています。
点滴の投与を行う際には、点滴内に細菌の混入があってはなりません。そのため、点滴内に薬剤を混合する場合には、無菌的に混合調整される必要があります。
そのために、クリーンベンチというチリや埃、雑菌等の混入を防ぎ、無菌状態に保つ装置を使用した衛生的な混合が必要であり、衛生管理のできる薬剤師がその業務を担っています。
【クリーンベンチを使用している写真】
また当院では、がん化学療法を行っており、抗がん剤のミキシング業務も薬剤部で行っています。
抗がん剤のミキシングは安全キャビネットという装置を用いて行います。
安全キャビネットとは無菌状態を確保する他、ミキシングする者が抗がん剤により曝露することを防ぐ装置です。
また、安全キャビネットの使用以外にも閉鎖式調整システムという器具を用いてミキシングを行っており取り扱いには十分な配慮を行なっています。
抗がん剤は患者さんに必要な治療に効果の高い薬剤ですが、抗がん剤を取り扱う際に、皮膚への付着やエアロゾルの吸入、経口的に体内に侵入することによって取り扱う者の健康に影響を及ぼすことが報告されています。ゆえに、抗がん剤の知識のある薬剤師がこの業務に関わることが非常に重要です。
【安全キャビネットの写真】