今回はCT検査で3D画像(3次元の立体画像)が作成できることについてお話します。
CT検査とは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の略で、X線を用いて身体の状態を輪切りなどの断面像として画像化する検査です。
撮影した画像は最小で5㎜程度の薄さにすることができ、その細かいデータによって下の画像のように任意の断面像を作成することができます。また、目的の組織が観察しやすいように様々な条件を変化させ見やすいCT画像を作成します。
そのCT検査で得られた画像データをもとに3D画像を作成することが出来ます。
3D画像は、任意に回転させたり、不必要な部分を非表示にできるため、負傷している部分を見やすくし、治療の計画に使用されます。
◎いくつか3D画像を紹介します。
【大動脈3D】
造影剤が動脈を流れているタイミングで撮影をします。造影剤を用いることで、血管内の信号が高くなり、血管の詰まりや細くなっている箇所などを観察しやすくなります。
【整形外科領域3D】
上の画像は左大腿骨転子部骨折の手術前(画像左)と手術後(画像右)の3D画像です。
手術前の画像では、どのように骨折しているかを3次元的に評価できます。手術後の画像では、固定した金属の位置が把握できます。手術後の経過観察において、固定した金属のズレの評価などに役立ちます。
このように、CT検査では輪切りの画像だけではなく立体画像も作成することが可能であり、疾患ごとに適した画像を作成し、診療に役立てています。
放射線部