今回は『理学療法士長尾が考えるこれだけはやってほしいこと【その4】』として、前回に引き続き『歩行』について話したいと思います。
リハビリをしていると、患者さんから『足が上がってないからよくつまづく』『足が重くて足が上がらない』と聞くことがあります。
多くの方が『足を上げて歩かないといけない!!』と思っているのではないでしょうか?
足の重さは片足だけで体重の約15%と言われています。体重60㎏の方であれば片足で9㎏になります。
つまり、体重60㎏の方が足を持ち上げて歩くという事は…足を1歩出すたびに9㎏の足を持ち上げて前方に運び続けるという事になります。
考えただけでしんどくて、長い距離は歩けないだろうなと感じてもらえたと思います。
ではどうすればよいのでしょうか?
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足も持ち上げようとしなければ良いのです😄
いやいや、『だからどうするの?』と思われたと思います。
足を持ち上げようとせずに、『後ろ足で地面を蹴って歩いてほしいのです!!』
我々は無意識に地面を蹴ってその力を利用して前方へ進む推進力にしているのですが、高齢者の方は地面を蹴らずに足を持ち上げて歩いている方が多くおられます。
後ろ足で地面を蹴ることで足を前に運ぶ力が生まれます。これにより、自然と膝が曲がりやすくなります。膝が曲がることでつま先と地面との距離が取りやすくなり、つま先が引っかかりにくくなります。
足を持ち上げて歩くと、この後ろ足で地面を蹴るという動作が起こりにくくなり、足を持ち上げて前方に足を運ばなくてはならなくなり、推進力も発生しにくいため『疲れやすく』『歩行スピード』も遅くなってしまいます。
その他にも蹴り出しを行う事で、第2の心臓と言われるふくらはぎの筋肉をしっかり使う事ができます!!血液の循環が良くなり足のむくみも起こりにくくなります。
でも…………
後ろ足で地面を蹴って歩くと言われてもよくわからないと言われる方がおられます。
ここで、自然と地面を蹴って歩くためのコツを伝授したいと思います!!
後ろ足が地面から離れるときにつま先に体重を載せることを意識して歩くようにして下さい。つま先に体重を載せることが出来る方はさらに足の親指に体重が載るように意識されるとさらに◎です⤴
つま先に体重を載せることで自然と踵が上がり、後ろ足で地面を蹴る力が発生しやすくなります!!
始めはなかなか難しいとは思いますが、踵をあげてしっかり地面を蹴ることを意識しながら歩いて健康寿命を伸ばしていきましょう⤴